2009年 07月 23日
天変地異 |
ご無沙汰しております。ヘタレマザーです。
1ヶ月時間が空いたと思えば、ご想像のとおり(?)、
6月末に2500gちょっとの女児を出産いたしました。
現在、母子ともに健康なのですが、いや~、出産ってホント命がけですね。
正直、なめておりました。
予定より12日も早く、しかも妊娠高血圧症候群を発症した結果、緊急帝王切開となり、
さすが高齢初産というべきか、安産というには程遠い出産となりましてね。
陣痛は夜中からフツーに来て、翌朝にはすんなり入院となったものの、
12時間経過した時点で、それまで120台だった血圧があっという間に170まで上昇。
恐れていた妊娠高血圧症候群を一気に発症したんです。
そのとたん、医師が部屋へバンッ!と入ってきて、
「このままでは母子ともに危険が高いです。帝王切開にしましょう!」と、
必死で我が夫婦を説得するじゃないですか。
こっちは、あれよあれよと上昇する血圧数値は目にしてるものの、
まるで自覚症状がないので、どこか他人事。
腹切るのか~、などと思いつつ、丁寧な医師の説明もあって、
特に大きな不安もなく、帝王切開に同意。
と同時に、ワラワラと10人程度のスタッフが部屋へなだれ込んできて、
ワーッと器具やら点滴やらを私の身体へ装着。
足の爪に塗っていたド派手なマニキュアを数人がかりで落とされているのを見たとき、
とても申し訳ない気持ちになりました。すんません。
それから2時間、手術室の準備が整うまで、
MAXに強くなる陣痛にただ耐えるのみだったのですが、
ここが一番つらかったなぁ。
赤ちゃんの頭がね、骨盤の中へぐりぐり入ろうとするのがわかるんですよ。
これが痛いなんてもんじゃない。
呼吸法で痛みを逃す、なんて本にはフツーに書いてありますが、
呼吸法なんて私に言わせりゃ、ただの気休めですね。
つか、他に方法がないんで呼吸法のみを掲載してるんですかね、アレ。
体がバラバラになるかと思った。
フツーの妊婦さんは、あれを耐えて出産するんですもんね。
私なんて、多少耐えたところで下から産めないわけじゃないですか。
だから、サポートしてくれる助産師さんにふざけたことを言いたい放題。
もう痛みで理性なんてきかないんですよ。
助産師さん 「さ、ゆっくり呼吸法をしてみましょう」
私 「・・・無理!」
助産師さん 「・・・。」
私 「つか、鎮静剤ないんですかね?」
助産師さん 「ありません!」
私 「つか、手術まだすか?」
助産師さん 「・・・・・・・・・。」
あとから思えば、担当してくれた助産師さんが本当に出来た方で、
出産後もまだ重症だったころまで、大変お世話になりました。
この後、無事に(?)手術となるんですが、
麻酔は下半身だけなので、術中も意識はばっちり。
始まって30分もしないうちに、オギャーッとの産声とともに、
わが子が助産師さんの手に取り上げられたのを目撃することができました。
そのとたん、ホッとしたのか、うれしかったのか、わけのわからない怒涛の感情が押し寄せ、
手術台の上で声もなく号泣していた私。
助産師さんも赤ちゃんを私の顔の横に運んでくれて、
「さぁ、お母さん、赤ちゃんですよ!」などと励ましてくれる。
が、「赤ちゃんのおてて触ってみてください! 温かいですか?!」
というから触ってみたら、すげー冷たい。
正直に「・・・冷たいです」と答えると、
空気が止まった。←当たり前だ。
最後まで恩知らずな対応だったが、
なんかね、あんな大勢の人が私個人のために、
必死でやってくれているのを目の当たりにする経験って初めてで、
それだけでなんかメチャメチャ感謝したくなる。
医療の現場って、いろんな意味で本当にすごい。
その後、血圧が思ったほど下がらず、知らぬ間に170になってたりして、
入院中はゾゾッとする経験もしましたが、退院後は下がり続けて、
なんとか健康を取り戻してます。
・・・もっとね、うまくいろんなこと書きたかったんですけど、
赤ん坊が寝ている間にと思うと気が急いて、
なんだかうまく書けませんです。
出産って、経験するまで、「よかったね~、おめでと~」といった、
単純な慶び事だと思っていたのですが、
いやいや、まさに天と地がひっくり返るような生々しい出来事。
死を感じるほどの生の躍動を目の当たりにした経験でした。
by nachapin110
| 2009-07-23 16:20
| 東京ライフ